都市でオーロラを見ることができない理由
オーロラは北極圏で最も重要で華麗な自然の アトラクションの1つとして知られています。 この 輝かしい光のショーは何世代もの間、人間の想像を捉え、多くの 神話や伝説の基礎になりました。 昔は 北極地方の住民に限られていましたが、今や最新技術のおかげで世界中の 旅行者がオーロラを見られるようになりました。 北極地方へ 旅行する費用のため、旅行者のなかには、オーロラを都市で見ることが できないだろうかと考える人もいます。
その答えはほぼノーです。 幾つかの重複する要因のために、オーロラを観察する最適な場所は 地方の人里離れた場所です。 都市でオーロラを見ることができない理由については、以下をお読み ください。
都市でオーロラを見ることができない理由
ほとんどの人は都市と人間の活動が公害を生むことを知っています。 公害は人工の構造物やその他の活動による地球の汚染です。 例えば、車や工場は空気を汚染し、化学物質を空気中に放ち、これを吸い込む人間に呼吸困難やガンやその他の疾患を起こしています。 水質汚染は産業や都市の排水が川、湖、海に流れ込むことで起こり、水の供給源を汚染し、海洋生物の生命を危険にさらしています。
多くの開発国は自然の環境を保護し、市民の生活の質を 向上するために、排煙に上限を定めるなど 公害を制限する措置を取っています。 しかし、公害の 一つ、光害は一般的に無視されています。 光害は ビル、車、街灯から発生する過剰な光です。 都市の 規模が大きくなればなるほど、発生する光害も多くなります。
一般的に光害は人間の健康には影響しませんが、 天体観測者や夜空を観察したい人にとって大きな問題 です。 夜空に発せられる過剰な光は星や惑星から光を奪い、 観測を非常に困難にします。 光害が存在すると、 明るい星が暗くなり、かすかに見える星は完全に消えて しまいます。 このため天体観測は一般的に光害がほとんどない、 または存在しない山や地方の場所で 行われます。
光害はオーロラにどのような影響を 与えるでしょうか? 簡単です。過剰な光害はオーロラ観察を困難にし、 オーロラを完全に消してしまいます。 これは都市からの人工の光が 星、惑星、月、またはオーロラなど全ての大気中の光を 散乱させるからです。 太陽の強烈な日光がオーロラの形成を 防止するために、日中にはオーロラを見ることができません。 ビルや車からの光もオーロラに同様の効果を与えます 。
オーロラが極端に強力でなければ都市で見ることが できないのは、これが理由です。 オーロラは時折、 アラスカ州のフェアバンクスやノールウェイのトロムソなど北極圏内部または周辺 都市で見ることができますが、これらの場所の光害がオーロラを見づらくするか、 弱いオーロラなら完全に消されてしまいます。
都市部でオーロラを見られないもう1つの要因は 空気汚染です。 北極圏の一部、特にロシアでは産業活動のために 著しく汚染されています。 例えば、 ロシアの北極地方の市、ノリリスクは前世紀の激しい鉱業活動のために 世界で最も汚染された市の1つです。 これらの場所のスモッグや空中の微粒子は オーロラを見にくくするため、オーロラ観光に向いて いません。
オーロラ観光に最適な場所は 光や空気公害が最小限である、人間がほとんど住んでいない 人里離れた場所です。 北極地方にオーロラを見に行く場合、 フェアバンクスなどの大都市のツアーオペレーターが、旅行者を都市の明るい光 やスモッグから遠く離れた田園地帯へ連れて行くため、人間に干渉されずに オーロラ観察を楽しむことができます。
結論
オーロラは時折大都市で見ることができますが、これは稀なケースで人里離れた場所で見るオーロラと比べると、それほど見事ではありません。 冬の北極地方で山小屋やホテルまでトレッキングすることは大変に思えますが、オーロラ観察のために北部まできて、大都市だけで時を過ごせば旅行は無駄になってしまいます。
北極地方の冬は寒いとはいえ、最高のオーロラ経験は、 都市の雑踏から遠く離れた場所で 起こります。 人里離れた場所へ出かけるという 手間はかかりますが、オーロラの豪華な光景を見ることにより、 その努力は十分に報われることでしょう。